転勤があるかもしれなくても、家を買っていい? 貸すときの住宅ローンと控除
転勤があるかもしれなくても家を買うことはできますが、住宅ローンは本人か家族が住む家のための借入れなので、転勤で家を貸すときは先に金融機関に届け出る必要があります。
住宅ローン控除も、住まなくなった年から受けられなくなる一方、転勤で離れて戻ったときに控除をもう一度受けられる決まりがあるので、買う前に「貸すとき」「戻るとき」の手続きを知っておくと安心です。
この記事は、買うかどうかを勧めるものではなく、【フラット35】と金融機関の公表している条件、国税庁の決まりをもとに、確かめることを整理したものです。
住宅ローンを返している途中で、家を貸してもいい?
住宅ローンは、借りた本人か家族が住む家を買うための借入れです。
西日本シティ銀行の住宅ローンの商品概要でも、お使いみちは「お申込人またはご家族がお住まいになる住宅」の購入資金などで、住むための住宅であることが条件と書かれています(2026年11月2日確認)。
【フラット35】は、よくある質問で次のように示しています(住宅金融支援機構・2026年11月2日確認)。
| 項目 | 書かれていること |
|---|---|
| 使いみち | 本人か親族が住む住宅の取得資金 |
| 転勤などで一時的に住めない | 戻ることを前提に貸せる |
| そのときの手続き | 金融機関の窓口で住所変更の手続きをする |
| 目的外の利用が分かったとき | 全額を一括で返す場合がある(貸す目的の物件など) |
民間の金融機関の住宅ローンで貸すときの扱いは、金融機関と商品ごとに決まりがあるので、転勤が決まったら、貸す前に借りている金融機関に相談してください。
届け出をせずに貸すと、契約の決まりに反することがあるので、自分だけで決めないことが大切です。
転勤で家を離れたら、住宅ローン控除はどうなる?
住宅ローン控除は、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件の一つです(国税庁 タックスアンサー No.1211-1・令和8年4月1日現在の法令)。
そのため、転勤で家を離れると、その年からは控除を受けられなくなります。
ただし、勤務先からの転任の命令による転居などのやむを得ない事情で家を離れ、のちに戻ったときは、決まりを満たせば控除をもう一度受けられます(再適用)。
国税庁の質疑応答事例(令和7年8月1日現在の法令・通達)では、次のことが示されています。
| 国税庁の質疑応答事例 | 示されていること |
|---|---|
| 家を離れる前の手続き | 家を離れる日までに、届出書を家の所在地の税務署に出す |
| 出向の命令で転居したとき | 自分の都合ではなく、命令でやむを得ず転居したものなら、再適用の対象になり得る |
| 離れた年に戻ったとき | 同じ年でも再適用はあり得るが、その年は確定申告が要る(年末調整ではできない) |
| 何回も転勤したとき | 再適用の回数に決まりはない |
表の届出書は「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」という名前です。
届出書を出していなかったときでも、税務署長がやむを得ない事情があると認め、届出書を出したときに限って再適用を受けられる決まりもあります。
自分の転居が再適用の対象になるか、どの年に何を出すかは、税務署か税理士に確かめてください。
住宅ローン控除を受ける条件は、別の記事にまとめています。
新築建売で住宅ローン控除を受ける条件は? 省エネ性能・床面積・入居の期限
単身赴任で、家族が住み続けるときは?
本人だけが転勤などのやむを得ない事情で家を離れ、家族が引き続き住んでいて、事情がなくなったら本人も戻ると認められるときは、本人が住み続けているものとして扱うと国税庁は示しています(質疑応答事例・令和7年8月1日現在の法令・通達)。
あとから家族も転居先に移ったときは、家族が移った日を「住まなくなった日」として扱い、その日までに届出書を出すことになっています。
自分の家族の住み方で控除がどうなるかは、税務署か税理士に確かめてください。
転勤があるかもしれないとき、買う前に確かめることは?
転勤の可能性があるときは、物件を選ぶ前に、次のことを確かめておくと、あとで迷いにくくなります。
| 確かめること | どこで |
|---|---|
| 転勤で貸すときの届け出と条件 | 借りる予定の金融機関 |
| 住宅ローン控除の再適用の手続き | 税務署・税理士 |
| 勤め先の転勤の制度(期間・社宅・家賃の補助など) | 勤め先 |
| 貸すときの管理と、貸す場合の火災保険 | 管理会社・保険の代理店 |
いつごろ転勤があるかが分かっているときは、借りる前の事前審査のときに、金融機関に伝えて相談しておくと、手続きの見通しが立てやすくなります。
物件ページの「諸費用の明細」では、物件価格と諸費用から借入額と月々の返済の目安を出せるので、返済の額を考える材料にしてください。
新築建売の手付金・現金はいつ、いくら必要? 申込から引渡しまでのお金の流れ
次の一歩
気になる物件を送る
気になる物件の番号かURLを送っていただければ、空き状況・仲介手数料・諸費用の明細書をお返事します。
売主から当社が仲介報酬を受け取れる物件は買う方の仲介手数料が0円で、0円にできない物件やご紹介できない物件もあるため、手数料とご紹介の可否は物件ごとに確認します。
まとめ
転勤があるかもしれなくても家を買うことはできますが、住宅ローンは住むための借入れなので、貸す前に必ず借りている金融機関に相談します。
【フラット35】は、転勤などで一時的に住めないときは、戻ることを前提に貸すことができ、金融機関の窓口で住所変更の手続きをすることになっています。
住宅ローン控除は、住まなくなった年から受けられなくなりますが、転任の命令などで離れて戻ったときは、家を離れる日までの届出書などの決まりを満たせば、もう一度受けられます。
自分の場合にどうなるかは、金融機関と、税務署か税理士に確かめてください。
出典と確認日
- 住宅金融支援機構「【フラット35】よくある質問 返済中に融資住宅を賃貸にしてもいいですか。」
- 西日本シティ銀行「NCB建築名人」の商品概要
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 質疑応答事例(所得税)「住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続1(転居前における手続)」「転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由」「転勤命令後、家族が後から転居した場合の再適用の可否」「同一年内に転居・再居住した場合」「再居住を複数回行った場合」(令和7年8月1日現在の法令・通達)
2026年11月2日に確認しました。
この記事のよくある質問
住宅ローンを返している途中で転勤になったら、家を貸してもいいですか?
住宅ローンは本人か家族が住む家のための借入れなので、貸す前に、借りている金融機関に必ず相談してください。
【フラット35】は、転勤などのやむを得ない事情で一時的に住めないときは、家に戻ることを前提に貸すことができ、金融機関の窓口で住所変更の手続きをすることになっています(住宅金融支援機構のよくある質問・2026年11月2日確認)。
転勤で家を離れると、住宅ローン控除はどうなりますか?
その年の12月31日まで住んでいないと、その年からは控除を受けられなくなりますが、家に戻ったときに控除をもう一度受けられる決まり(再適用)があります。
再適用を受けるには、家を離れる日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に出すことなどが要るので、くわしくは税務署か税理士に確かめてください(国税庁 質疑応答事例・2026年11月2日確認)。
単身赴任で、家族が家に住み続けるときも控除は受けられますか?
転勤などのやむを得ない事情で本人だけが家を離れ、家族が住み続けていて、事情がなくなったら本人も戻ると認められるときは、本人が住み続けているものとして扱うと国税庁が示しています。
自分の場合に当てはまるかは、税務署か税理士に確かめてください。

