新築建売の登記費用の内訳は? 表題・保存・移転・抵当権設定と、司法書士が売主指定になる理由
新築建売を買うときの登記費用は、建物表題登記(土地家屋調査士の報酬)と、所有権保存・所有権移転・抵当権設定の登記(登録免許税と司法書士の報酬)を合わせた額で、当社の明細では約45万円と約10万円を目安にしています(2026年9月時点)。
司法書士と土地家屋調査士は売主が指定するので、どの不動産会社を通して買っても、登記費用は変わりません。
物件ページの「諸費用の明細(概算)」の登記の行が何の費用なのかを、登記ごとに説明します。
登記費用の内訳と目安
新築建売で買う方が費用を払う登記は、次の4つです。
| 登記 | 何のための登記か | 頼む人 | かかるお金 |
|---|---|---|---|
| 建物表題登記 | 新しい建物の所在・構造・床面積を記録する | 土地家屋調査士 | 報酬(約10万円) |
| 所有権保存登記 | 建物の最初の持ち主として、買う方の名前を記録する | 司法書士 | 登録免許税と報酬 |
| 所有権移転登記 | 土地の持ち主を、売主から買う方に替える | 司法書士 | 登録免許税と報酬 |
| 抵当権設定登記 | 住宅ローンを貸す金融機関の担保を記録する | 司法書士 | 登録免許税と報酬 |
当社の明細では、司法書士に払う3つの登記の費用(登録免許税を含む)を約45万円、建物表題登記を約10万円としています。
売主が借入のために付けていた抵当権を消す登記は、売主が費用を払うので、買う方の明細には入りません。
4つの登記の中身
建物表題登記
建物表題登記は、新しく建った建物の所在・種類・構造・床面積を、登記簿に初めて記録する登記です。
売主が指定する土地家屋調査士が図面を作り、決済のときの所有権の登記に合わせて申請します。
当社の明細では、約10万円を目安にしています。
所有権保存登記
所有権保存登記は、表題登記をした建物に、最初の持ち主として買う方の名前を記録する登記です。
この登記をしておくと、建物が自分のものであることを、ほかの人に主張できるようになります。
申請は司法書士に頼み、登録免許税と司法書士の報酬がかかります。
登録免許税は、建物の価額に税率を掛けて計算し、本来の税率は0.4%です。
住宅用の家屋で要件を満たすと、2027年3月31日までの登記は0.15%に下がります。
完成から時間がたち、売主の名前で保存登記がしてある建物は、保存登記ではなく、建物の所有権移転登記になります。
所有権移転登記
所有権移転登記は、土地の持ち主を、売主から買う方に替える登記です。
売買代金を払う決済の日に、司法書士が書類をそろえて申請します。
土地の売買の登録免許税は、本来の税率が2%で、2029年3月31日までの登記は1.5%です。
建物を移転登記で取得する場合は、本来の税率が2%で、住宅用の家屋で要件を満たすと、2027年3月31日までの登記は0.3%に下がります。
抵当権設定登記
抵当権設定登記は、住宅ローンを返せなくなったときに金融機関が家と土地を売れるように、担保を記録する登記です。
住宅ローンを借りる場合、金融機関はこの登記を貸す条件にしています。
登録免許税は借入額に税率を掛けて計算し、本来の税率は0.4%です。
住宅用の家屋を買うための借入で要件を満たすと、2027年3月31日までの登記は0.1%に下がります。
現金で買う場合は、この登記はありません。
登録免許税の計算
登録免許税は、課税標準(建物と土地の価額、または借入額)に税率を掛けて計算します。
新しい建物にはまだ固定資産税の評価額が無いので、法務局が決めた基準で建物の価額を認定します。
福岡法務局の基準(基準年度 令和6年度)では、木造の居宅は1平方メートルあたり105,000円です。
土地は、市町村の固定資産課税台帳の価格(評価額)を使います。
| 登記 | 本来の税率 | 住宅用の軽減税率 | 軽減の期限 |
|---|---|---|---|
| 建物の所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% | 2027年3月31日 |
| 建物の所有権移転登記(売買) | 2% | 0.3% | 2027年3月31日 |
| 土地の所有権移転登記(売買) | 2% | 1.5% | 2029年3月31日 |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% | 2027年3月31日 |
住宅用の軽減税率を受けるには、自分で住むこと、床面積が50平方メートル以上であること、新築か取得から1年以内の登記であることなどの要件があります。
登記の申請には市区町村が出す住宅用家屋の証明書を付ける必要があり、登記のあとに出しても軽減は受けられません。
認定長期優良住宅と認定低炭素住宅は、保存登記の税率が0.1%になるので、該当する物件は売主に証明の書類を確かめます。
計算の例
木造で床面積100平方メートルの建物、評価額1,000万円の土地、借入4,000万円の場合で計算します。
建物の保存登記は、105,000円×100平方メートル=1,050万円に0.15%を掛けて、約1.6万円です。
土地の移転登記は、1,000万円に1.5%を掛けて、15万円です。
抵当権設定登記は、4,000万円に0.1%を掛けて、4万円です。
この例の登録免許税は、合わせて約20.6万円です。
司法書士の報酬と、証明書の取得などの実費は事務所ごとに違うので、当社の明細では登録免許税と合わせて約45万円を目安にしています。
土地の評価額は場所によって大きく違うので、実際の額は売主が指定する司法書士の見積書で確かめてください。
司法書士と土地家屋調査士が売主の指定になる理由
新築建売では、司法書士と土地家屋調査士を売主が指定するのが一般的です。
建物表題登記には、売主が持っている建物の図面や工事の書類が要るので、売主と普段から仕事をしている土地家屋調査士が進めます。
決済の日には、代金の受け渡しと同時に、売主の抵当権を消す登記、所有権移転登記、買う方の抵当権設定登記を、1人の司法書士がまとめて申請します。
同じ分譲地の何棟もの取引を同じ司法書士が扱うと、売主の書類の確認と決済の日取りをそろえやすくなります。
そのため、どの不動産会社を通して買っても、司法書士と土地家屋調査士は同じで、登記費用も変わりません。
不動産会社によって変わるのは、仲介手数料と、会社が独自に決めている事務代行などの費用です。
0円になるのは売主が仲介手数料を負担する物件(一般媒介)で、専任媒介の物件は最大50%割引、売主が直接販売している物件は対象外です。
売主が直接販売する物件でも、売主から当社が手数料をいただける会社は0円です。
売主が分からない物件は、調べてお返事します。
当社は、仲介手数料のほかに、名目を問わず費用をいただきません。
次の一歩
登記費用の見積書を確かめる
物件ページの「諸費用の明細(概算)」では、登記費用を目安の額で出しています。
物件番号を送っていただければ、売主が指定する司法書士・土地家屋調査士の見積もりを確かめて、明細書に入れてお返事します。
この物件は0円になる?と思ったら
物件番号かURLをLINEで送ってください。取引態様を確認してお返事します。
まとめ
新築建売の登記は、建物表題登記・所有権保存登記・所有権移転登記・抵当権設定登記の4つです。
建物表題登記は土地家屋調査士の報酬だけで、ほかの3つは登録免許税と司法書士の報酬がかかります。
住宅用の家屋は、2027年3月31日までの登記なら、保存0.15%・抵当権0.1%などの軽減税率を使えます。
司法書士と土地家屋調査士は売主の指定なので、どの不動産会社を通して買っても登記費用は同じです。
出典と確認日
国税庁 タックスアンサー No.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)、法務局「登録免許税はどのように計算するのですか?」、福岡法務局「福岡法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」(基準年度 令和6年度)。2026年9月25日に確認。
税額は物件ごとの評価額と要件で決まるので、くわしくは売主が指定する司法書士、または税務署・法務局に確かめてください。
この記事のよくある質問
登記費用は、どの不動産会社を通して買っても同じですか?
新築建売では、司法書士と土地家屋調査士を売主が指定するので、どの不動産会社を通して買っても登記費用は同じです。
不動産会社によって変わるのは、仲介手数料と、会社が独自に決めている事務代行などの費用です。
司法書士を自分で選ぶことはできますか?
新築建売では、売主が指定した司法書士に頼むのが一般的です。
別の事務所を希望するときは売主の了承が要るので、売買契約の前に相談してください。
建物表題登記の費用はいくらですか?
当社の明細では、土地家屋調査士の報酬として約10万円を目安にしています。
土地家屋調査士は売主の指定なので、どの不動産会社を通して買っても同じ額です。
