長期優良住宅とは? 新築建売は標準で取っているのか、取れない物件はあるのか
長期優良住宅の認定基準は国が決めていて、どの会社の建売でも同じですが、認定を取るかどうかは売主が物件ごとに決めるので、取っていない建売もあります。
認定を受けているかどうかは、広告の言葉ではなく、認定通知書などの書類で確かめられます。
この記事では、認定の基準、建売で差が出る理由、買う前に確かめる書類を整理します。
長期優良住宅とは
長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅で、建築と維持保全の計画を所管行政庁に申請して認定を受けます(国土交通省)。
新築住宅の認定は、2009年(平成21年)6月4日から始まっています。
住宅性能評価・表示協会の資料には、新築される一戸建て住宅の約4割が長期優良住宅の認定を取得している、と書かれています(令和6年度末までの実績)。
住宅性能評価や省エネ性能ラベルとの違いは、次の記事にまとめています。
認定の基準(新築の一戸建て)
認定を受けるには、次の5つの措置をすべて講じ、必要書類を添えて所管行政庁に申請します(住宅性能評価・表示協会「技術基準の概要」)。
| 項目 | 一戸建て(木造)の基準 |
|---|---|
| 耐震性 | 耐震等級(倒壊等防止)が等級2以上 |
| 劣化対策 | 劣化対策等級3。床下空間の有効高さの確保や、床下・小屋裏の点検口の設置なども求められる |
| 維持管理・更新の容易性 | 維持管理対策等級(専用配管)が等級3 |
| 省エネルギー性 | 断熱等性能等級5、かつ一次エネルギー消費量等級6 |
| 住戸面積 | 75平方メートル以上(少なくとも1つの階の床面積が40平方メートル以上)。地域の実情に応じて所管行政庁が別に定める場合がある |
| 居住環境 | 地区計画・景観計画・建築協定などの区域内なら、その内容と調和を図る |
| 維持保全計画 | 構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分・給排水の設備の点検と補修の計画を作る。維持保全の期間は30年以上、点検の間隔は10年以内 |
| 災害配慮 | 災害のリスクがある地域では、リスクの高さに応じて所管行政庁が定めた措置を講じる |
耐震等級は、等級2と等級3のどちらでも基準を満たします。
つまり、長期優良住宅であることと、耐震等級3であることは、同じ意味ではありません。
等級は物件ごとに違うので、耐震や断熱の等級は、評価書や設計図書の数字で確かめてください。
建売で差が出る理由
基準は共通でも、建売で長期優良住宅になるかどうかは、会社と物件で分かれます。
認定は、建築主か分譲事業者が、着工の前に申請します(国土交通省)。
建売では売主が申請するので、売主が申請しない物件は認定を受けられません。
売主が標準仕様として認定を取る方針で、認定の費用を価格に含めている会社もあります。
申請しても認定を受けられない物件もあります。
| 認定を取れない主な理由 | 内容 |
|---|---|
| 住戸面積が足りない | 75平方メートル未満の狭い家や、1つの階が40平方メートルに満たない家 |
| 居住環境の基準に合わない | 地区計画などの内容と調和していない、計画道路にかかるなど |
| 省エネ・耐震などの仕様が届かない | 断熱等級5・一次エネ等級6や耐震等級2に届かない仕様 |
| 売主が申請していない | 仕様は近くても、認定の申請をしていない |
建売メーカーの公式サイトにも、標準で認定を取る旨と、取れない場合の例(3階建てなどで面積が足りない・計画道路がある)を書いているものがあります。
同じ会社の物件でも、3階建てや狭い土地の物件は、取れていないことがあります。
認定を受けた家の税と保険
認定長期優良住宅には、税の特例などが用意されています(国土交通省・住宅性能評価・表示協会)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税 | 新築後5年間、税額が2分の1になる(令和13年3月31日までに新築した住宅) |
| 不動産取得税 | 課税標準から1,300万円を控除(令和13年3月31日までに新築した住宅) |
| 登録免許税 | 所有権保存登記は0.1%、戸建ての所有権移転登記は0.2%(2027年3月31日までに新築した住宅) |
| 住宅ローン控除 | 認定住宅の区分で、年の上限が高くなる。くわしくは下の記事 |
| 住宅ローンの金利 | フラット35S(金利Aプラン)で、当初5年間の金利が引き下げられる(住宅金融支援機構) |
地震保険の料金は、耐震等級による割引があります(耐震等級2で30%、耐震等級3で50%)。
これは長期優良住宅であることではなく、耐震等級の証明で受ける割引です。
住宅ローン控除の区分と、証明する書類は次の記事にあります。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)の上限と、区分を確かめる書類
税の特例は期限や条件が変わることがあるので、受けられるかどうかは、税務署・税理士や金融機関にお尋ねください。
買ったあとにやること
認定を受けたあとは、認定された計画にそって維持保全を行い、その記録を作って保存することが求められます(国土交通省)。
所管行政庁から報告を求められることがあり、応じないと罰金の対象になる、と国土交通省のページに書かれています。
建売では、売主が受けた認定の計画を、買主が引き継ぐ手続きが必要になります。
手続きの時期と窓口は、売主の資料か所管行政庁で確かめてください。
売主が点検や保証の仕組みを用意している場合は、その内容も、購入申込の前に確かめておくと安心です。
買う前に確かめるもの
| 確かめること | 見る書類 |
|---|---|
| 認定を受けているか | 長期優良住宅建築等計画の認定通知書(の写し) |
| 耐震等級はいくつか | 建設住宅性能評価書、または設計図書の耐震等級の記載 |
| 断熱・一次エネの等級 | 建設住宅性能評価書、住宅省エネルギー性能証明書、省エネ性能ラベル |
| 引き渡し後の点検と保証 | 売主の点検・保証の書類 |
「認定取得予定」と広告に書かれている物件は、認定通知書がまだ出ていないこともあります。
その場合は、いつまでに認定を受けるかを売主に聞いておくと、引き渡しまでの流れが分かります。
じぶん新築の掲載データには、長期優良住宅の認定を示す欄がないため、掲載物件の件数は数えられません。
次の一歩
気になる物件が認定を受けているか確かめる
認定通知書の有無や、耐震・断熱の等級は、物件ごとに売主の資料で確かめます。
物件番号かURLを公式LINEで送っていただければ、空き状況・仲介手数料・諸費用の明細書をお返事します。
この物件は0円になる?と思ったら
物件番号かURLをLINEで送ってください。取引態様を確認してお返事します。
まとめ
長期優良住宅の基準は国が決めていて、どの会社でも同じですが、認定を取るかどうかは売主が物件ごとに決めます。
認定には、耐震等級2以上・省エネ(断熱等級5と一次エネ等級6)・住戸面積75平方メートル以上などの基準があります。
標準で取る会社でも、面積や居住環境の基準に合わない物件は、認定を受けられないことがあります。
広告の言葉ではなく、認定通知書や評価書で確かめてください。
出典と確認日
- 国土交通省「長期優良住宅のページ」
- 国土交通省「長期優良住宅に係る税の特例」
- 住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の技術基準の概要(新築戸建・木造軸組)」
2026年10月1日に確認しました。制度の中身は、法令の改正で変わることがあります。
この記事のよくある質問
長期優良住宅は、どこの建売でも同じ基準ですか?
認定の基準は国が定めていて、どの会社の物件でも同じです。
ただし、認定を申請するかどうかは売主が決めるので、取っている会社と取っていない会社があり、同じ会社でも物件によって取れないことがあります。
気になる物件が認定を受けているかは、認定通知書など売主の書類で確かめてください。
長期優良住宅になる建売と、ならない建売は何が違いますか?
認定は、着工前に売主が所管行政庁へ申請して受けるので、売主が申請したかどうかで決まります。
申請しても、住戸面積が75平方メートル未満だったり、地区計画などと調和していなかったりすると、認定を受けられません。
長期優良住宅だと、買ったあとにやることはありますか?
認定を受けた計画にそって点検などの維持保全を行い、その記録を作って保存することが求められます(国土交通省)。
維持保全の期間は30年以上、点検の間隔は10年以内で定める、と技術基準の概要に書かれています。


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