許可が下りなかったらどうなる? 条件付きの土地売買の仕組み
農地や転用予定の土地は、許可が下りないと契約が成り立たないので、許可を条件にする書き方と、許可が下りなかったときの手付金の返還を、契約書の中で確かめてください。
許可がなければ、契約は成り立たない
農林水産省の案内では、耕作のために農地を売買するときは、原則として農業委員会の許可が要り、許可を受けないでした売買は無効です(農地法3条、2026年10月時点)。
福岡県の案内では、家を建てるなど転用のために農地を買うときも、市街化区域の外では、転用の許可がなければ所有権を移せません(市街化区域の中は、農業委員会への届出で足ります)。
手付金や代金を受け取っても、所有権移転の仮登記をしても、転用の許可を受けなければ、農地の所有権は元の所有者のままです。
許可を受けなければ、売買の相手方に農地を有効に引き渡せない、と福岡県は案内しています。
福岡県は、売買契約の前に、転用の許可の見込みを市町村の農業委員会に確かめることを勧めています。
そして、許可が下りなかったときの手付金の返還などでもめないように、解除条件・手付金の扱い・特約の内容をよく確かめてから契約するよう案内しています。
停止条件と解除条件
民法127条には、条件のついた契約について、2つの決め方があります。
停止条件は、条件が満たされたときから、契約の効力が生じる決め方です。
解除条件は、条件が満たされたときから、契約の効力がなくなる決め方です。
当事者が、条件が満たされたときの効果を、それより前にさかのぼらせると決めたときは、その決め方に従います。
農地の売買で「許可が下りたら契約が成立する」と書くのは、停止条件の形です。
「許可が下りなかったら契約は効力を失う」と書くのは、解除条件の形です。
どちらの書き方かで、許可が出るまでの契約の状態が違うので、契約書の文面を、売主と不動産会社に確かめてください。
条文は、国の法令検索(e-Gov 法令検索)で読めます。
手付金の扱いを決めておく
手付金は、契約を結ぶときに、買主が売主に渡すお金です。
民法557条には、買主が手付を放棄すれば、契約を解除できる決まりがあり、売主は、手付の2倍の額を実際に提供して解除できます。
ただし、相手方が契約の履行に取りかかったあとは、この方法では解除できません。
ただ、許可が下りなかったときに契約が白紙になる場合は、この手付解除の話とは別に、手付金をどうするかを、契約書に書いておく必要があります。
契約書で確かめることは、次の3つです。
許可が下りなかったとき、手付金が全額戻るか。
戻すなら、いつまでに、どの方法で戻すか。
許可が下りないことで、買主に違約金などの負担が生じないか。
契約の前に不動産会社へ確かめること
許可を申請するのは、だれか。
許可の申請は、いつまでにするか。
許可が下りる見込みを、市町村の農業委員会で、いつ確かめたか。
許可が下りなかったとき、契約はどうなるか。
許可の申請にかかる費用は、だれが払うか。
この5つの答えは、契約書か重要事項説明書に、書いてもらってください。
許可の見込みを、売主や不動産会社が約束することはできません。
見込みは、市町村の農業委員会で確かめます。
次の一歩
気になる書き方は、前もって添えてください
当社でご紹介する物件は、重要事項説明と売買契約を、オンラインで行うこともできます。
前もって確かめたい書き方は、物件の番号か URL を送っていただくときに、聞いておきたいこととして添えてください。
この物件は0円になる?と思ったら
物件番号かURLをLINEで送ってください。取引態様を確認してお返事します。
まとめ
農地や転用予定の土地は、許可が下りないと、契約が成り立ちません。
許可を条件にする書き方は、停止条件か解除条件かで、許可が出るまでの契約の状態が違います。
許可が下りなかったときの手付金の返還は、契約書に書いてもらってください。
許可の見込みは、売主や不動産会社の説明だけで決めず、市町村の農業委員会で確かめます。
出典と確認日
- 福岡県「農地を転用するには?」(2025年9月5日更新)
- 福岡県「農地を売買したり、転用するときには?」(2025年5月28日更新)
- 農林水産省「農地をめぐる事情について」
- 民法127条(条件が成就した場合の効果)・557条(手付)(e-Gov 法令検索)
2026年10月3日に確認しました。契約書の書き方は、重要事項説明のときに、宅地建物取引士に質問してください。
この記事のよくある質問
農地の売買で許可が下りなかったら、契約はどうなりますか?
許可が下りないと、農地を買主に有効に引き渡せません。
そのため、許可を条件にする書き方と、許可が下りなかったときの手付金の返還を、契約書に書いてもらっておきます。
停止条件と解除条件は、何が違いますか?
停止条件は、条件が満たされたときから契約の効力が生じる決め方です。
解除条件は、条件が満たされたときから契約の効力がなくなる決め方です。
どちらの書き方かで、許可が下りるまでの契約の状態が違います。
契約書の書き方は、不動産会社に任せてよいですか?
不動産会社が契約書を用意しますが、許可の条件と、手付金の返還の書き方は、買主も内容を読んで確かめてください。
分からない点は、重要事項説明のときに質問してください。

