相場より安い土地に家は建つ? 農地・市街化調整区域の確認
農地や市街化調整区域の土地は、買主にも許可が要り、家が建つとは限らないので、許可の見込みを、農業委員会・県・市の窓口で確かめてから、契約を決めてください。
相場より安い土地には、農地であることや、建築が制限されていることが、理由の一つになっている場合があります。
農地を買うときは、買主にも許可が要る
農地は、売主と買主が合意しただけでは、売り買いが成り立ちません。
農地を耕作のために買うときは、農地法3条で、農地のある市町村の農業委員会の許可が要ります。
福岡市の農業委員会は、取得した農地を効率的に耕作すると認められない場合などは、許可が出ないことがあると案内しています。
福岡市農業委員会の案内では、許可を受けないで行われた売買や貸し借りは、法的な効力が生じません(農林水産省の案内でも、無効とされています)。
家を建てるときは、5条の許可
農地に家を建てるなど、農地以外にするために買うときは、農地法5条の許可が要ります。
福岡県の案内では、5条の許可を出すのは県知事で、県内では福岡市・久留米市・那珂川市だけは市長です。
申請するのは、売主(農地の所有者)と買主の両方です。
市街化区域の中の農地は、許可ではなく、農業委員会へ前もって届け出ます。
転用に要るほかの行政の許可などが得られる見込みがない場合や、転用する用途に確実に使うと認められない場合は、転用は許可されません(福岡県、2026年10月時点)。
| 買う目的 | 許可 | 許可を出すところ |
|---|---|---|
| 耕作する | 農地法3条 | 市町村の農業委員会 |
| 家などを建てる | 農地法5条 | 県知事(福岡市などは市長) |
農用地区域は、転用が原則できない
農地のうち、市町村が農業の振興のために定めた区域を、農用地区域といいます。
農林水産省の案内では、農用地区域の農地は、農用地利用計画で指定された用途以外には、転用できません。
家を建てるには、農用地区域から外す「除外」の手続きが先に要り、市町村が県知事と協議して、同意を得ます。
除外には、代わりの土地がないことなど、6つの要件をすべて満たす必要があるので、必ず認められるとは言えません。
地域計画と目標地図を見る
地域計画は、市町村が、農業者などの話し合いを踏まえて、10年後の農地の使い方を決める計画です。
その地図が目標地図で、令和7年(2025年)4月末の時点で、福岡県は52の市町村・425の地区で策定されています。
福岡市は、10の地区(志賀・入部・脇山・内野・金武・今宿・今津・周船寺・元岡・北崎)の計画を、市のサイトで公表しています。
地域計画の確認は、市町村のサイトの公表ページと、市町村の農業の担当課で行います。
福岡市は、農林水産局総務農林部農業政策課(092-711-4852)が窓口です。
市街化調整区域は、農地の規制とは別の制度
市街化調整区域は、都市計画法で「市街化を抑制すべき区域」とされ、開発(建物を建てるための土地の造成など)には、一部の例外を除いて許可が要ります(福岡県「土地利用規制法令に基づく主要規制一覧」)。
農地の許可(農地法)と、市街化調整区域の許可(都市計画法)は、別の制度で、別の窓口です。
農地ではない土地でも、市街化調整区域なら、家が建たないことがあります。
土地が農地か、市街化調整区域かは、登記簿の地目や、市町村の都市計画の窓口で確かめられます。
契約の前にすること
農地や調整区域の土地は、「家が建つ」という売主や不動産会社の説明だけで、決めないでください。
許可が出るかどうかは、農業委員会・県・市の窓口で確かめるのが基本です。
許可を条件にして契約するときの考え方は、次の記事で説明しています。
次の一歩
土地の URL を送ってください
ほかのサイトで見つけた県内の土地や物件も、URL を送っていただければ、空き状況と仲介手数料、諸費用の明細書をお返事します。
農地や調整区域かどうかは、送っていただくときに、聞いておきたいこととして添えてください。
この物件は0円になる?と思ったら
物件番号かURLをLINEで送ってください。取引態様を確認してお返事します。
まとめ
農地を買うときは、耕作なら農地法3条、家を建てるなら5条の許可が、買主にも要ります。
農用地区域の農地は、転用が原則できず、除外には県知事の同意が要るので、認められるとは限りません。
市街化調整区域の規制は、農地の規制とは別の制度で、別の窓口です。
家が建つかどうかは、農業委員会・県・市の窓口で確かめてから、契約を決めてください。
出典と確認日
- 福岡市農業委員会「農地を農地以外の用途に使いたいとき」(2023年4月19日更新)、「耕作を目的とした農地の売買・貸借」(2025年5月22日更新)
- 福岡県「農地を転用するには?」(2025年9月5日更新)、「農地を売買したり、転用するときには?」(2025年5月28日更新)
- 福岡県「土地利用規制法令に基づく主要規制一覧」(令和6年12月)
- 農林水産省「農地をめぐる事情について」、「農業振興地域制度の概要」
- 農林水産省「地域計画の策定状況」(令和7年4月末時点)
- 福岡市「地域計画」(2026年3月30日更新)
2026年10月3日に確認しました。制度は変わることがあるので、検討するときに、窓口で確かめてください。
この記事のよくある質問
農地を買えば、家を建てられますか?
農地に家を建てるには、農地を農地以外にする転用の許可が要ります。
許可が出るかどうかは、農業委員会・県・市の窓口で確かめます。売主や不動産会社の説明だけで決めないでください。
農地法の3条と5条は、何が違いますか?
3条は、農地を農地のまま、耕作のために売買や貸借をするときの許可です。
5条は、農地を家などの用地に転用するために売買や貸借をするときの許可です。
買主が、農地で何をするつもりかで、どちらが必要かが決まります。
農用地区域の農地は、家を建てられますか?
農用地区域の農地は、農用地利用計画で指定された用途以外には、転用が認められません。
家を建てるには、区域から外す手続き(除外)が先に要り、県知事の同意も要るので、認められるとは限りません。

