新築建売の契約不適合責任とは? 引渡しのあとに不具合が見つかったら
新築建売で引渡しのあとに契約と違う不具合が見つかったら、買主は売主に、直す・代金を減らす・損害を償うなどを求められ、これを売主の「契約不適合責任」といいます(民法562条〜564条・2026年11月時点)。
売主が宅地建物取引業者なら、不具合を知らせる期間を引渡しから2年より短くする特約はできないので、まず売買契約書に書かれた期間を確かめます(宅地建物取引業法40条)。
この記事では、求められることと期間、10年保証との違い、見つけたときの知らせ方をまとめます。
契約不適合責任とは?
契約不適合責任は、引き渡された家が、種類や品質の点で契約の内容に合っていないときに、売主が負う責任です(民法562条)。
民法の改正の前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたもので、いまの売買契約書では「契約不適合責任」と書かれます。
「契約の内容に合っていない」かどうかは、売買契約書・重要事項説明書・図面・仕様書に書かれた内容と比べて決まるので、契約のときに受け取る書面がもとになります。
買主が求められることは?
民法では、契約と違うところが見つかったとき、買主は次のことを求められると決まっています(民法562条〜564条・e-Gov 法令検索の原文で確認)。
| 求められること | 中身 |
|---|---|
| 直してもらう(追完) | 修補などで、契約どおりにしてもらう |
| 代金を減らしてもらう | 期間を決めて直すよう求めても直らないとき、不適合の程度に応じて |
| 損害を償ってもらう | 民法の損害賠償の決まりによる |
| 契約を解除する | 民法の解除の決まりによる |
新築建売では、まず売主に直してもらう形で話が進むことが多く、どの求めができるかは、不具合の中身と売買契約書の決まりで変わります。
ある不具合が契約不適合に当たるかどうかは、この記事では判断できないので、書面をそろえて売主に確かめてください。
不具合を知らせる期間は?
民法では、買主が契約と違うことを知った時から1年以内に売主へ知らせないと、直す・代金を減らすなどを求められなくなります(民法566条。売主が引渡しの時に知っていた場合などを除く)。
ただし、宅地建物取引業者が自ら売主になる売買では、知らせる期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約を除き、民法より買主に不利な特約はできず、そうした特約は無効です(宅地建物取引業法40条)。
新築建売の売主はふつう宅地建物取引業者なので、売買契約書には「引渡しから2年」のように期間が書かれていることが多く、この期間を必ず確かめます。
売買契約書で見るところ
- 契約不適合責任の期間(引渡しから何年か)
- 知らせ方(書面か、窓口はどこか)
- 対象にしないものが書かれていないか(引渡しのときに確かめた傷など)
- アフターサービス基準書との関係
10年保証とは、どう違う?
構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分は、契約不適合責任の期間とは別に、品確法で引渡しから10年の責任があり、売主は保険か供託で備えることが義務です(国土交通省の説明)。
| 決まり | 対象 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 契約不適合責任 | 家のどこでも、契約と違うところ | 売買契約書の期間(宅建業者が売主なら引渡しから2年以上) |
| 品確法の10年の責任 | 構造の主な部分と、雨漏りを防ぐ部分 | 引渡しから10年 |
| アフターサービス | 売主が決めた部分(内装・設備など) | 売主の基準書による |
内装や設備の不具合は、契約不適合責任の期間と、売主のアフターサービスの決まりの両方で確かめると、どこに当たるかが分かりやすくなります。
新築建売の10年保証とアフターサービスの範囲。仲介で買っても同じ?
見つけたら、どう知らせる?
不具合に気づいたら、いつ・どこで・どんな様子かを写真や動画で残し、売主の窓口に書面かメールで、早めに知らせます。
口頭だけで伝えると、いつ知らせたかがあとで分かりにくいので、知らせた日と中身が残る形にしておきます。
雨漏りや水漏れのように広がるおそれがある不具合は、まず被害が広がらないようにしてから、すぐに連絡してください。
引渡しのあとに見つけた傷は、住んでからできたものか分かりにくくなるので、引渡し前の立会いで丁寧に見ておくことが一番の備えです。
引渡し前の立会い(内覧会)で見るところと、直してもらう頼み方
売主との話がまとまらないときは、住宅紛争処理の相談窓口や、弁護士などの専門家に相談してください。
次の一歩
契約の前に、責任の期間を確かめる
気になる物件の番号かURLを送っていただければ、空き状況・仲介手数料・諸費用の明細書をお返事します。
売買契約書の契約不適合責任の期間とアフターサービスの範囲は、重要事項説明と契約の前に書面で確かめてください。
売主から当社が仲介報酬を受け取れる物件は買う方の仲介手数料が0円で、0円にできない物件やご紹介できない物件もあるため、手数料とご紹介の可否は物件ごとに確認します。
まとめ
新築建売で契約と違う不具合が見つかったら、買主は売主に直す・代金を減らすなどを求められ、これが契約不適合責任です。
売主が宅地建物取引業者なら、知らせる期間は引渡しから2年より短くできないので、売買契約書の期間を確かめます。
構造の主な部分と雨漏りを防ぐ部分は、別に10年の責任があり、内装や設備はアフターサービスの決まりも見ます。
不具合に気づいたら、写真を残して、書面かメールで早めに売主へ知らせてください。
出典と確認日
民法(562条〜564条・566条)・宅地建物取引業法(40条)は、e-Gov 法令検索の原文(2026年10月8日取得)で2026年11月1日に確認しました。10年の責任と資力確保は、国土交通省「住宅瑕疵担保履行法 Q&A(新築住宅)」(2026年9月29日確認・10年保証の記事の出典)によります。個別の不具合が契約不適合に当たるかは、売買契約書と売主の書面で確かめ、争いになったときは専門家に相談してください。
この記事のよくある質問
新築建売で、引渡しのあとに不具合が見つかったらどうすればいいですか?
引渡しのあとに契約と違う不具合が見つかったら、場所と様子を写真に残し、売主のアフターサービスの窓口に書面かメールで早めに知らせます。
直してもらえるかや、どの決まりが当てはまるかは、売買契約書とアフターサービスの書面で決まるので、まず書面を確かめます。
新築建売の契約不適合責任は、何年ですか?
売主が宅地建物取引業者なら、契約不適合を知らせる期間を引渡しから2年より短くする特約はできず、売買契約書には「引渡しから2年」などと書かれます(宅地建物取引業法40条)。
構造の主な部分と雨漏りを防ぐ部分は、これとは別に、法律で引渡しから10年の責任があります。
契約不適合責任と10年保証は、どう違いますか?
契約不適合責任は家のどこでも契約と違うところが対象で、10年保証は構造の主な部分と雨漏りを防ぐ部分に限った、別の法律の決まりです。
内装や設備は、契約不適合責任の期間と、売主のアフターサービスの決まりで確かめます。

