新築建売は何年住める? 木造住宅の寿命とメンテナンスの考え方
新築建売に何年住めるかは一律には言えず、建てたときの劣化対策と、点検や手入れをどう続けるかで変わります。
国土交通省の資料では、通常想定される維持管理の条件で構造躯体を使い続けられる期間の目安を、劣化対策等級2で2世代(50〜60年程度)、劣化対策等級3で3世代(75〜90年程度)、長期優良住宅で少なくとも100年程度としています(2026年10月28日に確認)。
この記事では「◯年もつ」とは決めず、年数の目安の読み方と、買う前に確かめる書類をまとめます。
劣化対策等級と長期優良住宅の年数は、何を示す?
劣化対策等級は、国の住宅性能表示制度で、柱や土台などの構造躯体の傷みにくさを等級で示すものです。
国土交通省の「中古住宅に係る建物評価の改善に係る指針骨子案について」(平成25年12月)では、次の年数を、通常想定される維持管理の条件での構造躯体の使用継続期間の目安として並べています。
| 建て方 | 年数の目安 |
|---|---|
| 長期優良住宅 | 少なくとも100年程度(3世代以上) |
| 劣化対策等級3 | 3世代(75〜90年程度) |
| 劣化対策等級2 | 2世代(50〜60年程度) |
この年数は、維持管理をしたときの構造躯体の目安で、屋根・外壁・設備などがそのまま使い続けられるという意味ではありません。
同じ資料では、木造の専用住宅の平均寿命(残存率が50%となる期間)が、1997年の調査の43.53年から2011年の調査で65.03年に伸びたという研究(早稲田大学 小松幸夫教授の論文)も紹介されています。
この平均寿命には、使える状態でも建て替えなどで取り壊された家屋が含まれていると、資料に注記があります。
木造の耐用年数22年は、住める年数?
木造住宅の22年は、税法の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で決められた耐用年数で、住める年数を示すものではありません。
国土交通省の資料では、建物の評価の実務で木造住宅の耐用年数を決めるとき、ほかに根拠がないため税法の22年などを参考にしてきたと説明されています。
国土交通省の「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」(平成26年3月)は、木造戸建て住宅の機能は、市場で一般的な20〜25年よりも相当程度長く維持されると整理しています。
長く住むには、何を手入れする?
国土交通省の「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」(平成25年8月)では、住宅を、基礎・躯体と、屋根材・外壁材・内装・浴室やキッチン・給排水や給湯の設備などの部位に分けて考えています。
同じ資料では、内外装・設備を更新して住宅の使用価値が上がっている場合は、その効果を建物の価値に反映するという考え方が示されています。
- 引渡しのあとの定期点検を受ける(時期と回数は売主の保証書で確かめる)
- 床下や屋根裏を点検できる口があるか、見てもらえる人がいるか
- 点検や手入れの記録と、図面・評価書などの書類をまとめて残す
- 屋根・外壁・設備の手入れの時期は、保証書や住まいの手入れの冊子で確かめる
手入れの時期や費用は、建て方・材料・住んでいる場所で変わるので、売主の資料で確かめてください。
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、認定された維持保全計画にもとづいて維持保全をすることになっていて、分譲の場合は、買う方が決まってから3か月以内に、分譲事業者と買う方が一緒に維持保全計画の変更の認定を申請する必要があります(国土交通省の長期優良住宅のページ・2026年10月28日に確認)。
買う前に、どの書類で確かめる?
住宅性能評価を受けた物件なら、住宅性能評価書の「劣化の軽減に関すること」の欄で、劣化対策等級を確かめられます。
構造や雨漏りの10年の保証と、売主のアフターサービスの範囲は、次の記事にまとめています。
福岡で建売を分譲している11社の公式サイトを見ると、引渡しから10年までの定期点検の回数を書いている会社が8社、有料の点検や工事などを条件に保証を延ばせると書いている会社が8社でした(2026年10月11日に確認・建売メーカーの価格と仕様の分布図)。
保証を延ばせる年数は保証の条件で、住める年数を示すものではありません。
断熱の性能も、長く快適に住めるかにかかわるので、あわせて確かめてください。
次の一歩
気になる物件の評価書と保証を確かめる
まず物件ページの「主な設備」の欄で、住宅性能評価や長期優良住宅が書かれているかを見てください。
気になる物件の番号かURLを送っていただければ、空き状況・仲介手数料・諸費用の明細書をお返事します。
売主から当社が仲介報酬を受け取れる物件は買う方の仲介手数料が0円で、0円にできない物件やご紹介できない物件もあるため、手数料とご紹介の可否は物件ごとに確認します。
まとめ
新築建売に何年住めるかは一律には言えず、建てたときの劣化対策と、点検や手入れの続け方で変わります。
国土交通省の資料では、劣化対策等級2で50〜60年程度、等級3で75〜90年程度、長期優良住宅で少なくとも100年程度を、維持管理をしたときの構造躯体の目安としています。
木造住宅の22年は税法の耐用年数で、住める年数ではありません。
住宅性能評価書の劣化対策等級と、売主の保証書・点検の予定を、買う前に確かめてください。
出典と確認日
- 国土交通省「中古住宅に係る建物評価の改善に係る指針骨子案について」(平成25年12月・2026年10月28日取得)
- 国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」(平成26年3月・2026年10月28日取得)
- 国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」(平成25年8月・2026年10月28日取得)
- 国土交通省 住宅局「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について」(平成31年3月・税法の耐用年数 木造22年・2026年10月28日取得)
- 国土交通省「長期優良住宅のページ」(2026年10月28日取得)
- じぶん新築「建売メーカーの価格と仕様の分布図」(各社の公式サイト・2026年10月11日確認)
2026年10月28日に確認しました。
この記事のよくある質問
木造の新築建売は、何年住めますか?
何年住めるかは一律には言えず、建てたときの劣化対策と、点検や手入れの続け方で変わります。
国土交通省の資料では、劣化対策等級3で3世代(75〜90年程度)、長期優良住宅で少なくとも100年程度を、通常の維持管理をしたときの構造躯体の使用継続期間の目安としています。
木造住宅の耐用年数22年は、住める年数ですか?
22年は税法(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)で決められた耐用年数で、住める年数を示すものではありません。
国土交通省の指針でも、木造戸建て住宅の機能は、市場で一般的な20〜25年よりも相当程度長く維持されると整理されています。
長く住むために、買う前に確かめる書類はありますか?
住宅性能評価書の「劣化の軽減に関すること」の欄、長期優良住宅なら維持保全計画、売主の保証書と点検の予定を確かめてください。
点検の回数や保証の年数は売主ごとに違います。

